外部資金獲得情報(梶原逸朗)

[科学研究費・採択情報(研究代表者としてのみ)]

基盤研究(B),平成31-令和3年度,「レーザー誘起プラズマ加振による機器/建屋/インフラ統合系の動特性計測と異常検知」

レーザー誘起プラズマを用いた非接触インパルス加振法に基づく振動計測技術を高度化させ,機器/建屋/インフラ統合系への応用展開を図り,このような系に対す高精度なヘルスモニタリング技術を構築し,異常診断およびメンテナンスにおける信頼性および安全性の向上,ならびにそれに要するコストの低減を実現させることを目的とし,研究を遂行中である.

基盤研究(B),平成28-30年度,「非接触レーザー加振システムによる機械/生体システムの動特性評価および異常診断」

レーザーアブレーション(LA)およびレーザーブレイクダウン(LIB)を用いた非接触インパルス加振法に基づく振動計測技術を高度化させ,さま ざまな先端機械システムの特性・性能評価のみならず,生体システムの振動計測への応用展開を図り,従来技術では不可能であった対象・分野の振動計 測およびモニタリングを可能にする技術およびシステムを開発した.

基盤研究(A),平成22-24年度,「パルスレーザーを用いた非接触加振に基づく高周波振動計測/高感度異常検知技術の開発」

LAに基づくレーザー加振による高周波数帯域の振動計測法を確立し,構造物の故障診断技術および真空チャンバを用いた真空環境振動試験技術,ならびにスマートマイクロ構造の制振特性に関する評価技術を開発した.基礎実験により,本技術の高い計測精度および信頼性を確認し,その有効性および実用性を検証した.

基盤研究(C),平成18-19年度,「微小光学系を内蔵するマイクロ移動機構のレーザーによる遠隔駆動・制御」

エネルギー伝送およびレーザー制御を効率的に行う微小光学系を構成し,レーザーと太陽パネルによるエネルギー伝送効率および遠隔制御による制御対象の応答性を解析および実験により評価した.エネルギー伝送用の高出力レーザー,レーザー追尾用のHe-Neレーザーおよびレーザー制御用の緑色レーザーを同軸のビームとして制御対象に照射し,移動体上で分離することによりそれぞれの機能を実現させた.基礎実験により,本システムの有効性を検証した.

基盤研究(B),平成14-16年度,「構造/流体/制御の複合領域設計法と小型飛翔体設計への応用 」

本研究では,構造/流体/制御の複合領域設計法を構築し,スマート構造およびマイクロ飛行機(Micro Air Vehicle; MAV)の設計に応用した.スマート構造の制振性能を向上すべく,圧電アクチュエータを含めた機構パラメータと制御パラメータを統合的に最適化する手法を提案・開発し,さらに流体力学特性を含めた最適化へと拡張することにより,MAVの形状/制御最適化を行った.そして,MAV実現のための必須技術である統合レーザー推進/追尾/制御システムを開発した.

萌芽研究,平成14年度,「構造/流体/制御の複合領域設計によるレーザ推進マイクロ飛行機の開発 」

レーザーにより推進力を発生させるメカニズムを応用したマイクロ飛行機の開発に向け,それを実現するためのレーザー推進メカニズムの解明,ならびにレーザー追尾システムおよびスマート翼の開発を行った.本研究で開発したレーザー追尾システムは,レーザー,偏光ビームスピリッタ,ガルバノミラーおよび光検出器により構成される.ガルバノミラーは,DCモーターにより縦・横方向に回転できる機構になっており,光検出器からの信号よりディジタル制御システムにより制御入力が演算され,それによってガルバノミラーを回転させることにより,レーザーを目標に追尾させる.そして,マイクロ飛行機の小型化・軽量化を行いながら飛行制御を実現するために,アクチュエータとして形状記憶合金(SMA)を採用し,フォトトランジスタをスイッチング素子として利用した光学系を導入することにより,外部からのレーザー照射によって遠隔制御可能なスマート翼を開発した.実験により,本研究で開発したシステムの有効性を検証した.

奨励研究(A),平成12-13年度,「スマート構造における構造と制御の統合設計法」

本研究では,振動制御の機構としてスマート構造を用い,諸性能の向上を達成すべく,アクチュエータ形状/配置と制御の同時設計方法を提案・開発した.同時に,有限要素法(FEM)とモード解析法に基づく低次元モデル化法およびモード制御法を示し,実験による検証を行った.圧電アクチュエータの形状に関する設計変数を,制御対象のFEMモデルに対応する圧電フィルムの幅,配置に関する設計変数をFEMモデルの節点番号とした.H2性能の向上を目指した設計問題を定義し,圧電フィルムアクチュエータの形状/配置と制御系を同時に最適化した.最適化手法としては,圧電アクチュエータ形状を設計変数とする場合は逐次二次計画法,配置を設計変数とする場合は遺伝的アルゴリズム(GA)を用いた.シミュレーションおよび実験を行い,達成される振動抑制効果および同時最適化の有効性を評価した.

奨励研究(A),平成10-11年度,「線形行列不等式に基づく構造系と制御系の統合最適設計の構築と実用化」

システムを線形行列不等式で記述し,時間領域/周波数領域特性および制御性能/ロバスト安定性を総合的に評価できる統合最適設計の構築と実用化を目的として研究を行った.制御性能をH2ノルム,ロバスト安定性をH∞ノルムで評価し,逐次二次計画法とLMIソルバーを結合したアルゴリズムにより統合最適設計を実行する方法を提案した.2リンクマニピュレータの位置と力の制御に適用し,解析および実験の両面から手法の有効性を検証した.
(奨励研究(A),平成9年度,文部省在外派遣研究員のため受入辞退)

奨励研究(A),平成8年度,「情報機器の統合最適設計による時間領域/周波数領域特性の同時高性能化」

平成7年度の研究を発展させ,構造のトポロジの最適化を可能とし,時間領域と周波数領域の性能を同時に考慮した設計法の確立を目指し,研究を行った.有限要素法における各要素の濃度およびその存在の有無を設計変数として採用することにより,トポロジを含めた統合最適設計を可能にした.連続値と離散値の設計変数に対応するため, 遺伝的アルゴリズムを用いた最適化手法を提案・開発した.シミュレーションおよび実験によりその有効性を明らかにした.

奨励研究(A),平成7年度,「情報機器が内蔵する位置決めサーボ機構の統合最適設計」

情報機器に内蔵される磁気ヘッドおよび光ヘッドの高速化・低振動化の達成を目的として研究を行った.本研究では,従来の最適化アルゴリズムを発展させ,設計変数として連続値と離散値を同時に扱えるようにした.これにより,構造の形状やセンサ・アクチュエータおよび部材の配置を設計変数とする最適化に柔軟に対応できるようになった.動的補償器およびLQI制御器で構成される閉ループ系に対する統合最適設計法を提案し,簡易デバイスへの適用により手法の有効性を検証した.

奨励研究(A),平成6年度,「オートフォーカス機構の最適化による高速追従性能の実現」

画像装置・画像処理技術における高速化・高精度化を達成すべく,オートフォーカス機構における構造系と制御系を同時に最適化することを目的として研究を行った.構造の形状に加えセンサ・アクチュエータの配置を設計変数として採用し,制御系の設計変数である動的補償器のパラメータを含めた同時最適化法を開発した.オートフォーカス機構の基礎モデルに対し,設計および実験を行った結果,位置決めの高速化および高精度化を達成した.

奨励研究(A),平成5年度,「構造系とロバスト制御系の同時最適化法による車両の振動制御」

平成3年度の研究をさらに発展させ,実車に適用することを目標として研究を行った.トラックキャブの振動制御を対象とし,実車の加振実験によりモデルを同定し,同時にモデル化誤差を評価した.モデル化誤差に対するロバスト安定性を維持しながら振動制御効果を向上すべく,構造系とロバスト制御系の同時最適設計法を提案・開発した.モデルに対する設計に適用することにより,本手法の有効性を検証すると同時に,実車のトラックキャブのH∞ロバスト振動制御に応用し成果を得た.

奨励研究(A),平成4年度,「構造系と制御系の同時最適化による光ヘッド系のロバスト制御」

光ディスク装置に用いられる光サーボ系において,光ピックアップの構造とサーボ系を同時に最適化することにより,追従性能と振動制御性能を同時に向上させる手法の提案を目的として研究を行った.モード解析手法に基づくモデルおよびコントローラの低次元化方法を示し,構造の形状とフィードバックゲイン行列を同時に最適化する方法を構築した.基礎モデルおよび光ピックアップの試作品に対し同時最適設計ならびに実験を行い,所望の追従性能と振動制御性能を達成した.

奨励研究(A),平成3年度,「構造系と制御系の同時最適化による乗用車の振動制御法の開発」

乗用車の乗り心地の向上を図るために,構造系と制御系の同時最適化方法の開発を目的として研究を行った.解析的および実験的に制御対象をモデル化する方法を示し,乗用車の振動抑制を目指した構造系と制御系の同時最適化手法を提案した.乗用車の基礎モデルに対する設計ならびに実験を行い,本手法の有効性を検証した.

[科学技術振興機構・採択課題(研究代表者としてのみ)]

A-STEP(フィージビリティスタディ)
平成21-22年度,「レーザーアブレーションを利用した非接触かつ高周波数帯域の動特性分析・評価を可能にする革新的振動計測技術の創成」

LAを利用した振動計測システムを開発し,40kHz帯域においてコヒーレンス特性に優れた周波数応答を高精度に測定できることを検証した.そして,レーザー被照射部に微少な水滴を付着させることで加振力を大幅に増幅するパッシブ制御法を開発した.さらに,力入力計測のセンサレス化を実現し,出力計測のみで周波数応答関数の抽出を可能にした.

シーズ発掘試験B(発展型)
平成20年度,「スマート構造技術に基づく大容量磁気ディスク装置の実用化研究」

記録密度の大幅な向上を可能とすべく,申請者が提案した広帯域振動抑制手法を拡張すると同時に,最適化技術を駆使してMEMS構築を見据えたスマート磁気ヘッドを開発し,次世代の大容量化および実用化につながる制振性能を達成させることに成功した.さらに,形態の異なる複数のアクチュエータを用いることで,ロバスト安定性を大幅に向上させ,実用面での有効性を検証した.

シーズ発掘試験
平成19年度,「スマート構造技術に基づく大容量磁気ディスク装置の実用化研究」

磁気ヘッドをスマート構造化するための機構および複合領域最適化手法を提案した.そして,磁気ディスク装置の高密度化に要求されるヘッドアクチュエータの制振をシミュレーションにて達成することができた.さらに,得られた結果を検証すべく,基礎実験装置の構築を行った.

[主要共同研究先]

・(株)日立製作所

・日産自動車(株)

・いすゞ自動車(株)

・SRC(Storage Research Consortium)

・(株)HGSTジャパン

・サイバネットシステム(株)

・マツダ(株)

・キャテック(株)

・清水建設株式会社